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非上場株式の相続手続き

  • 文責:弁護士 宮城昌弘
  • 最終更新日:2026年3月5日

1 非上場株式の相続の特徴

一般的に、非上場株式とは、証券取引所で売買されていない株式のことをいいます。

上場企業の株式(上場株式)は証券会社で管理され、名義変更や取引がしやすいですが、非上場株式は市場での流通がなく、名義変更の手続きや売却にも特別な対応が必要です。

中小企業や家族経営の会社などでは、代表者や家族が株主となっていることが多く、相続が発生した際の株式の配分が経営権に直結する場合もあります。

したがって、非上場株式の相続手続きは、単に名義を変更するだけでなく、会社の経営方針や事業承継という面も事前に検討しなければならないことがあります。

2 相続開始後にまず確認すべきこと

被相続人(亡くなった方)が非上場株式を保有していた場合、まずはその株式の発行会社を特定することが必要です。

発行会社からの配当金に関する通知書や、過去の株主総会資料、確定申告書の配当金に関する記載などを確認することで、どの会社の株式なのかを調査します。

発行会社を特定できたら、次に会社の窓口へ連絡を取り、株式の相続手続き(名義書換)に必要な書類や手続き方法を確認します。

上場企業のように証券会社を通じた統一的な手続きは存在しないため、個別に問い合わせて確認をすることが大切です。

3 名義書換のために必要となる資料や書類

非上場株式の名義変更を行う際には、一般的には次のような資料や書類が必要となります。

①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

②相続人全員の戸籍謄本

③遺産分割協議書(相続人全員の署名押印があるもの)

④相続人全員の印鑑証明書

⑤会社所定の名義書換申請書(ある場合)

4 遺産分割協議と株式の評価

非上場株式は、上場株式のように市場価格が存在しません。

相続の際には、遺産分割協議における公平性を確保するため、評価額の算定が必要となります。

評価方法は、主に類似業種比準価額方式や純資産価額方式が用いられます。

類似業種比準価額方式は、基本的に規模の大きい会社の場合に用いられる方法で、同業種の上場企業の株価を基準に、会社の利益や配当などの要素を比べて株式の価値を算出する方法です。

純資産価額方式は比較的規模の小さい会社の場合に用いられる方法であり、時価評価した会社の資産から負債を差し引いた純資産をもとに株式の価値を評価する方法です。

中程度の規模の会社の場合には、これらの方式を併用することもあります。

非上場株式の評価は複雑であり、遺産分割協議における公平な分配だけでなく、相続税の算定にも関わることがあります。

早めに税理士など専門家に相談し、正確に算定することが重要です。

5 名義変更の流れ

⑴ 相続人が会社に相続発生を通知する

非上場株式を保有している方が亡くなったら、発行会社に対して、その旨を伝えておきます。

これにより、発行会社側は相続開始を認識するとともに、以降の連絡先を相続人とすることができます。

⑵ 相続人調査

株式の名義変更に限りませんが、多くの相続手続きの前提として、すべての相続人を調査する必要があります。

基本的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本を収集します。

⑶ 遺産分割協議と遺産分割協議書の作成

相続人全員で、誰が非上場株式を取得するか、またはどのような割合で非上場株式を分配するかを話し合う、遺産分割協議を行います。

相続人の中に会社を継ぐ方がいる場合には、その相続人に議決権を集約するなどの検討も必要です。

遺産分割協議がまとまったら、その内容を遺産分割協議書に記し、相続人全員が署名と実印による押印をします。

また、相続人全員の印鑑証明書も添付します。

⑷ 発行会社における名義変更手続き

発行会社に連絡し、名義変更手続きをしたい旨を伝えます。

必要な資料と書類を提出した後、発行会社がこれらを確認し、株主名簿の書換えを行います。

6 名義変更を放置した場合のリスクについて

相続開始後、非上場株式の名義変更を行わずに放置しておくと、いくつかの問題が生じます。

まず、発行会社が相続の開始を知らないと、配当金や株主総会の案内が届かなくなるおそれがあります。

次に、会社の株主総会における議決権を行使できず、相続の対象となっている非上場株式の数によっては重要な事項の決定に支障をきたし、経営に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

7 非上場株式の手続きを進める際のポイント

非上場株式の相続は、他の財産と比較して、高度な専門知識やノウハウが求められます。

スムーズに相続手続きを進めるためには、特に次のような点に留意しましょう。

①株式評価を正確に行い、遺産分割協議の公平性を保つ

②事業を承継する相続人がいる場合には議決権を集約する

③事前に税理士や弁護士などの専門家に相談して方針を検討する

8 非上場株式を含む相続は専門家に相談することが大切です

非上場株式の相続手続きは、単に名義を変更するだけではなく、会社の経営権にも関る重要な問題です。

後日相続人間でのトラブルや、経営上の問題が発生することを防ぐためには、適切な評価額の算定と配分が必要となります。

また、上場株式と違って手続きが統一されていないため、会社ごとのルールを確認しながら慎重に進める必要があります。

被相続人が中小企業や家族会社の株を所有していた場合には、早めに会社側と連絡を取り、必要書類を整えたうえで、専門家の助言を受けながら適切に手続きを行うことが大切です。

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