他の相続人が相続手続きに協力してくれない場合の進め方
1 相続手続きに協力してくれない他の相続人への対策
相続手続きでは、そもそも相続人の所在がわからないケースもありますが、相続人の所在はわかっているけれども、その相続人がまったく連絡を返してくれないなど、相続手続きに協力してくれないというケースもあります。
昨今は親族間の交流が少なくなっていることもありますし、両親の離婚などでまったく音信不通だった親族から、相続手続きについての連絡が突然きても無視されてしまうケースも多いように思います。
きちんと東京の弁護士会に所属する弁護士と名乗った上で、弁護士名で連絡文書を送っても、 確実に相続人からの返答を得られるというわけではありません。
2 遺産分割協議に協力してもらえない場合
こちらから連絡を取ろうとしても遺産分割協議にまったく協力してもらえない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し出ることになります。
調停もあくまで話合いの場ではありますが、調停員という第三者の立場の者が間に入ることで話合いが進むこともあります。
これまでまったく音信不通だった相続人が、裁判所からの通知を受けて、初めて話合いに応じるということもあります。
この調停手続きも、あくまで相続人が話合いをすることが前提ですので、感情的な対立から合意が成立する見込みがない場合や他の相続人が裁判所に出頭しない場合には、話合いはできませんので、調停は不調ということになります。
調停が不調となると、審判手続きに移行しますが、審判手続きでは裁判所が遺産の分割方法を指定することになります。
裁判所が審判で決める分割方法については、調停のように各相続人の細かな事情に考慮したものとはなりませんので、できる限り調停により分割した方がよいといえます。
3 他の相続人が相続手続きに協力してくれない場合の相談
相続はしばしば相続人同士の感情的な対立を含むものも多く、間に立つ存在をたてる必要や話合いの進め方も慎重にする必要があることもあります。
東京近郊の方で、他の相続人が相続手続きに協力してくれないことでお困りの方がいらっしゃいましたら、ご相談いただきたいと思います。