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相続した土地や建物などの名義変更をしないとどうなるのか

  • 最終更新日:2025年12月11日

1 不動産の名義変更(相続登記)について

相続によって不動産を取得した際には、土地や建物の所有者の名義を被相続人から相続人に移すため、法務局での登記手続き(相続登記)が必要になります。

相続登記を行うことで、登記簿上の所有者が変更され、第三者から見た不動産の所有者が明確になります。

これにより、実務上は相続人がその不動産を利用、処分できるようになります。

相続登記は、かつては任意のものとされていましたが、2024年4月以降義務化されました。

基本的には、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行うこととされています。

2 名義変更をしない場合の法的影響

⑴ 過料の対象になる

正当な理由なく期限内に相続登記をしなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

遺産分割協議が長引いていて、期限内に不動産を取得する相続人が決まらない可能性があるなどの事情がある場合には、一旦法定相続分で登記をするか、所有権の登記名義人について相続が開始した旨、および自らが当該所有権の登記名義人(被相続人)の相続人である旨を申し出ることでも対応可能です。

その後、遺産分割協議が完了したら、遺産分割の日から3年以内に相続登記をする必要があります。

⑵ 権利関係の複雑化に伴うトラブル

不動産に関する遺産分割協議と相続登記をしないまま長期間が経過すると、次の相続が発生してしまうことがあります。

これが複数回繰り返されると、不動産の共有持分権が多数の相続人に分散してしまいます。

例えば、被相続人の子3人が相続人であり、不動産について、それぞれが法定相続分である3分の1の共有持分を相続で取得していたとします。

このまま被相続人の子が亡くなり、それぞれに子(被相続人からみた孫)が2人いたとすると、孫は不動産について、6分の1ずつの共有持分を取得することになります。

このような状態になると、そもそも相続人を調査するだけでも多大な労力が必要になり、さらに遺産分割協議を多数の相続人で行わなければならず、非常に大きな負担が生じることになります。

実際に、相続人が50人以上に分散してしまっていて、相続人調査のための費用だけでも数十万円を要するというケースもあります。

3 相続登記を行わないことによる実務上の問題

相続登記を終えていない間は、登記簿上の所有者は被相続人の名前のままとなります。

言い換えますと、既に存在しない人が名義人になっている状態です。

この状態では、第三者から見て、誰が正式な所有者であるかが不明確になるため、売却や担保設定などが困難になります。

不動産の売却や賃貸、担保権の設定は契約ですので、民法上は所有者の同意が必要になります。

名義変更をしていないと、契約の相手方としては、相続人が本当の所有者であるかが分からないことから、結果として事実上契約をすることができません。

4 相続登記が義務化された背景

先述のとおり、2024年4月の法改正により、相続登記は義務となりました(不動産登記法第76条の2)。

これにより、基本的に、相続人は相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行わなければならなくなりました。

正当な理由なく申請を怠ると、過料(最大10万円)が科される場合があります。

この改正の背景には、以下のような問題がありました。

相続登記がされていない状態の不動産が長期間放置され、相続人が多数に分かれてしまい、事実上所有者に連絡を取ることが困難なってしまった土地が増加していました。

これにより、非常時などに国や自治体が土地の利用のために所有者と調整をしようとしても、連絡を取ることができないなどの問題が生じました。

このような状態が続くと社会的な損失が増大してしまうという懸念があったことから、相続登記が義務化されました。

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