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親が亡くなったら銀行の口座は凍結されるのですか?

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2022年8月30日

1 口座の凍結について

銀行は、被相続人が亡くなったことを知ると、被相続人の口座から出入金することをできなくしてしまいます。

このように、口座から出入金することをできなくすることを、口座の凍結と言います。

一旦、口座が凍結されると、口座の預金を取得する相続人が確定するまでは、出入金ができなくなってしまいます。

このため、例えば、多額の預金があり、近日中に相続税を納付する必要がある場合であっても、口座の預金を取得する相続人が確定するまでは、預金を出金することができませんので、自己資金で相続税を納付しなければならないこととなってしまいます。

他方、口座の預金を取得する相続人が未確定である間は、どの相続人も口座から出金することができませんので、相続人の誰かが預金を出金するのではないかといった心配をする必要がありません。

口座が凍結されていれば、凍結時点の預金残高が残っていることを前提として、遺産分割協議を進めることができます。

2 被相続人が亡くなった後も口座が凍結されていなかった事例

ところが、実際には、被相続人が亡くなった後も口座が凍結されず、相続人の一部が勝手に口座から出金したという事例が、しばしば存在します。

これは、被相続人が亡くなった後も、銀行が、被相続人が亡くなったことを知らず、相続人による出金に応じてしまうことがあるためです。

実際、被相続人が亡くなった後も、相続人の1人が、被相続人の口座から、毎日、出金限度での出金を続け、2000万円あった残高を0円にしてしまったという事例も存在します。

こうした事態を避けるためには、自分から銀行に対して、被相続人が亡くなったことを伝え、口座を凍結してもらうことを検討すべきでしょう。

銀行は、除籍謄本等、被相続人が亡くなったことを証明する書類を提出すれば、口座の凍結に応じてくれるかと思います。

3 口座の凍結が解除される場合

⑴ 預金を取得する相続人が確定したとき

銀行は、預金を取得する相続人が誰であるかが確定すれば、口座の凍結を解除してくれます。

例えば、遺産分割協議が成立した場合には、預金を取得する相続人が確定しますので、遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書等の書類を提出すれば、銀行は口座の凍結を解除し、払戻等の手続きに応じてくれます。

また、遺言により預金を取得する人が確定している場合も、払戻等の手続きに応じてくれます。

⑵ 相続人全員が凍結解除に同意したとき

銀行によっては、相続人全員が凍結を解除することに同意する旨の書面を提出し、相続人全員の印鑑証明書等を提出すれば、預金を取得する相続人が確定していなかったとしても、凍結の解除に応じてくれることがあります。

遺産分割協議が完了していないものの、家賃の入金、ローンの引落等があるため、どうしても被相続人名義の口座で出入金を行わなければならない場合には、このような方法を用いることがあります。

⑶ 緊急で出金する必要があるとき

遺言が存在せず、相続人全員の同意を得られない場合であっても、被相続人名義の口座から出金しなければならない緊急の必要が生じることがあります。

例えば、被相続人の生前、被相続人の預金で生活していたものの、被相続人名義の口座から出金できなくなり、生活に窮した状態に陥ってしまった場合や、相続税の納付期限が近付いているものの、自己資金では相続税を納付することができないため、被相続人名義の口座から出金しなければならない場合等です。

このような場合には、緊急の必要が存在することを理由として、家庭裁判所において、仮分割の仮処分の申立てを行い、申立てが認容された場合には、家庭裁判所が認めた金額につき、口座から出金することができるようになります。

4 相続についてのご相談

私たちは、凍結された預金につき、遺産分割協議を行い、払戻等の手続きをさせていただいていますし、他の相続人による出金が懸念される場合には、銀行に対して通知を行い、口座を凍結するよう促すこともあります。

東京で相続の件でお困りのことがあれば、私たちにご相談ください。

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